EXHIBITIONS

動き出す色とかたちーマティスとマリーニの版画から

2020.04.01 - 05.24

アンリ・マティス ジャズ「馬、女曲芸師、道化師」 1947

 フォーヴィスムの画家アンリ・マティス(1869〜1954)と、イタリア出身の彫刻家マリノ・マリーニ(1901〜1980)の版画シリーズが公開される。

 マティスの「ジャズ」とマリーニの「『春の祭典』の登場人物たち」。ふたつの版画シリーズは、色とかたちの組み合わせ、身体の動きから生まれた表現、舞台美術との関連など、多くの共通点を持つ。

 マティスはサーカスなどをテーマに、切紙絵を用いて作品を制作。色紙をハサミで切り抜いて生まれたかたちを自由に組み合わせた、ジャズのような即興的な表現は、マティスがバレエの舞台衣装デザインを手がけた際に試みた、鮮やかな色づかいや自由な造形作業からの影響が見られる。

 いっぽうマリーニの作品は、ロシアのイーゴリ・ストラヴィンスキーが作曲したバレエ《春の祭典》に取材したもの。マリーニは1972年、ミラノ・スカラ座で同作が公演された際に舞台美術を担当しており、「『春の祭典』の登場人物たち」は、ダンサーの躍動的なシルエットが幾何学的なかたちとともにリズミカルに描かれ、絵のなかから音楽が聞こえてくるような印象を与える。