EXHIBITIONS

開館60周年記念名品展Ⅰ

モネからはじまる住友洋画物語

2020.03.14 - 07.12

クロ-ド・モネ モンソ-公園 1876

浅井忠 グレーの森 1901

岸田劉生 二人麗子図 1922

 明治時代後期に近代企業としての住友グループの礎を築いた住友家第15代当主・住友吉左衞門友純(ともいと)(号:春翠[しゅんすい]、1864~1926)は、実業の傍らで芸術や文化事業にも高い関心を示し、子弟の情操教育や事業所における社員のねぎらいのために、西洋絵画を積極的に収集した。

 いまに伝わる住友洋画コレクションは、春翠が1897(明治30)年の欧米視察の際、パリで印象派のクロード・モネの油彩画を2点購入したことが発端である。日本に最初期にもたらされたモネの真筆として、2点の作品は記念碑的な位置を占めていると言えるだろう。

 春翠は、日本に西洋美術館がなかったこの時代に、洋画で飾った自宅を公開。また、関西美術院を開設する浅井忠やその後継者となる鹿子木孟郎(かのこぎ・たけしろう)、また東京美術学校西洋画科教授だった黒田清輝を支援し、それを起点に、日本の「洋画」を切り拓いた画家たちの作品が住友家に収蔵された。春翠の子弟たちもまた、その生涯にわたって自らの感性に沿った絵画コレクションを形成していった。

 本展では、モネから始まった住友の洋画コレクションの軌跡を、明治から昭和にいたる時代や社会の動きを背景に、住友家親子3人の収集のエピソードを交えて紹介する。主な出展作家に、ジャン=ポ-ル・ローランス、クロード・モネ、オ-ギュスト・ルノワ-ル、ジョルジュ・ルオ-、浅井忠、鹿子木孟郎、梅原龍三郎、岸田劉生、熊谷守一など。

※泉屋博古館は6月2日より再開し、本展の会期を7月12日まで延長して開催(当初の会期は3月14日~5月17日)。来館にあたっての注意事項および最新情報は、公式ウェブサイトにて案内。