EXHIBITIONS

川俣正/仙台インプログレス2019 活動報告展

作業風景 撮影=渡邊博一

 サイトスペシィフィックな作品で知られるアーティストの川俣正と、せんだいメディアテークが協働して取り組むプロジェクト「仙台インプログレス」の活動報告展が開催される。

 川俣は1953年北海道三笠市生まれ。建築や都市計画、歴史学や社会学、日常のコミュニケーション、また医療にまでおよぶ分野と関わり、既存の美術表現の枠組みを超えていく試みを実践してきた。第40回ヴェネチア・ビエンナーレ(1982)、ドクメンタ8(1987)ほか出品多数。2005年には横浜トリエンナーレの総合ディレクターを務めた。現在はフランスを拠点に活動している。

 せんだいメディアテークは川俣とともに「仙台インプログレス」を、津波で被災した仙台市沿岸部の貞山運河沿いで展開。新浜地区の住民の「橋が津波で流されて運河を渡れなくなった」という話から構想し、橋の機能を持った作品《みんなの橋》の設置に向けて動いてきた。

 地域の人々との交流と、刻々と変化する沿岸部の状況に呼応しながら進行する「仙台インプログレス」。本展では、木道づくりを中心とした2019年の活動などを、写真や映像、模型で紹介する。