EXHIBITIONS

大京都 2019 in 京丹後

吉村機業(株)旧織物工場、桜山荘ほか

SIDE COREは明治時代に丹後半島の先端に建てられた経ヶ岬灯台をハッキングする作品を発表。

会場となる吉村機業(株)旧織物工場。

織り機が忙しくなく動くちりめん織工場の中2階で、同社工場長と高橋の演奏パフォーマンスの様子。

韓国から漂流するラジオを題材にした石毛は、プロジェクトの一環として会期中FMたんごにて放映を行う。

田中がリサーチをおこなうガラシャ伝説の残る味土野地区は度重なる豪雪によって集落が閉鎖。現在はその後新しく入植してきた2 人の住民だけが暮らしている。

前谷は自身の身体と写真を媒体に、地域の地形や風土を細かくスキャニングしていく。

天然記念物となった琴引浜の鳴き砂を確認する鷲尾、背後には観光客の一団。

 京都府が主催するアーティスト・イン・レジデンス事業「京都:Re-Search」は、2カ年計画で展開するアートプロジェクトでもあり、2018年に島袋道浩のディレクションで「大京都 2018 in 京田辺」が開催。今年は、SIDE COREをゲストアーティスト、キュレーターに迎えた展覧会「風景泥棒 Landscape Rippers」を開催し、石毛健太、高橋臨太郎、田中良佑、前谷開、鷲尾怜のレジデンスアーティスト5名が参加する。

 本展の会場となるのが、京丹後の近代化を象徴するちりめん織の名家「吉村商店」の巨大工場跡、そして同社が所有する文化遺産「桜山荘」。繊維工業や漁業などが盛んな「海の京都」と呼ばれる京丹後市内での、2年にわたるリサーチをもとにアーティストたちが展示を行う。

 石毛は韓国から漂流するラジオと、プロパガンダ放送「荒れ野の声」に関するリサーチに基づいた作品。高橋はちりめん工場の工場長と共通するヘビーメタルへの関心から、ちりめん織を音の観点から切り取った作品。田中は過疎化する山間部の集落「味土野」で、細川ガラシャ伝説の気配をたどるパフォーマンス。前谷は山陰海岸や「丹後震災記念館」でのリサーチをもとに、風景の成り立ちについて写真と身体を用いて思考する。鷲尾は天然記念物に認定された、琴引浜にある「鳴き砂」の研究のための機材を用いたインスタレーション作品を発表する。

 それぞれの作品は、殖産産業、観光地化、第2次世界大戦、震災など京丹後の近代史に接続され、繊維工場跡地や文化遺産を会場とすることで、「もうひとつの京都」を通して「もうひとつの京都の歴史」を明らかにしていく。

 10月12日のオープニングイベントには、Reborn-Art Festivalのキュレーターを務める和多利浩一(ワタリウム美術館館長)を迎え、京都市内のアートスペース「VOU -棒-」にてトークショーを開催。Reborn-Art Festivalから「京都:Re-Search」まで、新時代の地域アートプロジェクトについてSIDE COREと参加アーティストとともに語る。また10月13日には、和多利が同行するギャラリーツアーも実施される。