オランジュリー美術館コレクション　ルノワールとパリに恋した12人の画家たち

　横浜美術館の開館30周年を記念して、オランジュリー美術館所蔵品による展覧会が開催される。
　
　パリのセーヌ川岸に建つ、オレンジ温室を改修した瀟洒な佇まいのオランジュリー美術館。画商ポール・ギヨームが基礎を築いた同館所蔵の印象派とエコール・ド・パリの作品群は、オーギュスト・ルノワールの傑作《ピアノを弾く少女たち》をはじめ、アンリ・マティス、パブロ・ピカソ、モディリアーニらによる名作が揃うヨーロッパ屈指の絵画コレクションを誇る。

　ギヨームは若き才能が集まる20世紀初頭のパリで画商として活動したいっぽう、自らもコレクターとして作品を収集。私邸を美術館にする構想が実現しないまま逝去した後、ギヨームのコレクションはドメニカ夫人によって手を加えられた。そしてこれらの作品群は、ギヨームとドメニカの2番目の夫の名を冠した「ジャン・ヴァルテル＆ポール・ギヨーム コレクション」としてフランス国家へ譲渡され、同館で展示されるようになった。

　本展では、1998年の「パリ・オランジュリー美術館展」以来21年ぶりに、オランジュリー美術館の絵画コレクションがまとまって来日。ルノワールの代表作《ピアノを弾く少女たち》をはじめ、19世紀末〜20世紀前半のフランス近代美術が花開いた重要な時期に描かれた、画家13人の名品約70点が展示される。

　ルノワールのほか、出品作家はアルフレッド・シスレー、クロード・モネ、ポール・セザンヌ、アンリ・ルソー、アンリ・マティス、パブロ・ピカソ、アメデオ・モディリアーニ、キース・ヴァン・ドンゲン、アンドレ・ドラン、マリー・ローランサン、モーリス・ユトリロ、シャイム・スーティンの12名。