EXHIBITIONS

円山応挙から近代京都画壇へ

2019.08.03 - 09.01, 2019.09.03 - 09.29

円山応挙 松に孔雀図(全16面のうち4面) 寛政7(1795)年 兵庫・大乗寺蔵 重要文化財 ※東京展のみ、通期展示(京都展では別場面が通期展示)

円山応挙 郭子儀図(全8面のうち4面) 天明8(1788)年 兵庫・大乗寺蔵 重要文化財 ※京都展のみ、通期展示

上村松園 楚蓮香之図 大正13(c.1924)年頃 京都国立近代美術館蔵 ※東京展=後期展示、京都展=後期展示

竹内栖鳳 春暖 昭和5(1930)年 愛知県美術館蔵(木村定三コレクション) ※東京展=前期展示、京都展=半期展示

岸竹堂 猛虎図(右隻) 明治23(1890)年 株式会社 千總蔵 ※東京展=前期展示、京都展=半期展示

菊池芳文 小雨ふる吉野(左隻) 大正3(1914)年 東京国立近代美術館蔵 ※京都展のみ、半期展示

 18世紀、京狩野や土佐派など様々な流派が百花繚乱のごとく咲き乱れる京都において、写生画で一世を風靡し円山派を確立した円山応挙。これに続く四条派の祖・呉春は、最初に与謝蕪村に学び、その後、応挙に師事したことで、応挙の写生画に蕪村の瀟洒な情趣を加味した画風を確立した。

 応挙と呉春を源泉とする円山・四条派の流れは、鈴木百年、岸竹堂、幸野楳嶺(こうの・ばいれい)などへと受け継がれ、それぞれの門下から、近代京都画壇を牽引した竹内栖鳳、山元春挙、今尾景年、上村松園らを輩出。それぞれが博覧会や、日本で初めての公設美術展覧会である文部省美術展覧会で活躍し、全国に円山・四条派の名を広めた。いっぽうで、栖鳳たちは、自身の塾や、教鞭を執った京都府画学校や京都市立美術工芸学校、京都市立絵画専門学校で多くの近代京画壇の発展に貢献する後進を育てた。

 本展は、応挙、呉春を起点に、その技が近世から近代へといかに引き継がれたか、画家たちの系譜を一挙にたどるもの。円山・四条派の全貌に迫るとともに、日本美術史のなかで重要な位置を占める京都画壇の様相の一端を明らかにする。※前期後期で大展示替え