EXHIBITIONS

Identity XV -curated by Meruro Washida-

ジェームズ・ジャック | 澤田 華 | 友枝 望

© Nozomi Tomoeda

 ゲストキュレーターを招き、様々な視点から「Identity」というテーマを考察するシリーズ企画。今年は、第57回ヴェネチア・ビエンナーレ国際美術展日本館のキュレーションを努め、8月に開幕するあいちトリエンナーレ2019のキュレーターのひとり、鷲田めるろを迎える。

 本展の紹介作家は、社会と自然環境の関係性に目を向けるアメリカ出身のジェームズ・ジャック、コップやカメラといったグローバル企業による製品の比較展示を行う友枝望、写真や映像メディアを用いて「かつて存在した何か」を復元する澤田華の3名。それぞれが自身の表現方法で、グローバル化した情報社会における 「Identity」について提示する。

 ジャックは、植物学者・金平亮三のスケッチを参照して描いた、南洋の植物がモチーフのドローイングを発表。移動しながら作品を制作する自らのアイデンティティと人の移動に伴って分布する植物の歴史を、ポストコロニアルな視点で重ね合わせる。

 友枝は、同型の製品を2つ並べて生産国などの差異を視覚化したシリーズで、製品のモジュール化、グローバル・バリュー・チェーンによる生産、そして世界の生活様式の同一化まで、現代社会の課題を広く問いかける。

 澤田は、モダンデザインの本に掲載された庭のランプの写真に、謎の物体が写り込んでいることに着目。詳細不明の物体のアイデンティティを執拗に調べるプロセスを作品化し、意味を求めてしまう人の欲望を露わにする。