写真とスキャンはどのように関わり合うのか。写真評論家・清水穣による第7回目「showcase」が開催
京都のeN artsにて、写真評論家・清水穣キュレーションによる「showcase #7」が開催される。今回は澤田華と滝沢広の2人展で、会期は5月11日〜6月10日。
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今回で第7回目となる「showcase #7 "写真とスキャン PHOTO & SCAN"」が、京都のeN artsで開催される。
「showcase」は、写真評論家・清水穣のキュレーションによる現代若手写真家の展覧会で、2012年より継続して行われてきた。
今回参加する滝沢広は、2013年の「showcase #2」以来、国内外で活発に活動を続けている。滝沢の作品は、雪山のポスターの表面をハンドスキャナーでなぞり、手動でスキャンするため、画像一面にノイズが現れる。またその出力を写真に撮り、それをシートに印刷し、あえて皺を寄せてマウントする。ノイズや皺は制作行為の痕跡であり、つまり作者の生きた(ライブの)時間や身体の痕跡となる。
![](https://bt.imgix.net/magazine/14654/content/takizawa2-273x600.jpg?auto=format&fm=jpg&w=1920&h=1080&fit=max&v=0)
いっぽう、澤田華が近年制作している「Gesture of Rally」シリーズは、ノイズとして排除されてしまうような写真の不鮮明な細部を起点とし、分析・検証を繰り返しながらイメージの誤読を重ねることで、「写されたもの」の認識を問う作品である。
![](https://bt.imgix.net/magazine/14654/content/sawada1-429x600.jpeg?auto=format&fm=jpg&w=1920&h=1080&fit=max&v=0)
不可逆的な全面的デジタル化のなかで「写真」と「スキャン」はどのように関わり合うのか、2人の作家の作品から見つめることができるだろう。