EXHIBITIONS

『プリーツ・マシーン』2

中嶋興×松澤宥―写真上の部屋

 慶應義塾大学アート・センターが所管する資料から、映像作家・中嶋興の写真作品が公開される。

 中嶋は1941年熊本県出身、63年多摩美術大学デザイン科卒業。60年代後半より映像、インスタレーション、芸術運動、記録などの多様な活動を行う。生と死の輪廻をテーマとした《生物学的サイクル》(1971〜)と《My Life》(1976〜)などは、数度発表され、現在にいたるまで再編され続けている。

 本展で展示される写真作品は、観念美術を提唱した松澤宥の「ψ[プサイ]の部屋」へ赴いた際に撮影されたもの。「ψの部屋」は松澤が制作していたアトリエであるとともに、それ自体も作品として考え得る部屋で、完成と未完成が混淆した制作物の群れで埋め尽くされていた。松澤とこの部屋へと向けられた2日間に渡る中嶋の執拗な関心は、パフォーマンスへと発展し、その記録写真として結実した。

 本展では、アーカイブを通して、中嶋による膨大な写真群と、「ψ[プサイ]の部屋」にまつわる出来事を思考する。