EXHIBITIONS

玉山拓郎・松延総司「FLASH MATTER」

2019.03.01 - 03.17

松延総司 Twisted Rubber Band 2012

玉山拓郎 Dirty Palace 2018

 もの・空間・光・色など、人が当然のように認識する領域に丁寧な観察の眼差しを向ける2名のアーティスト、玉山拓郎と松延総司による展覧会。

 玉山は1990年岐阜県生まれ、2015年東京藝術大学大学院美術研究科絵画専攻油画研究分野修了。鮮烈な色彩の壁や椅子、照明器具やベッドなどの日常品を部屋のような空間に配置することで、その場に色彩のコンポジションを生成するインスタレーションを発表してきた。

 松延は1988年熊本県生まれ、2008年京都嵯峨芸術大学短期大学部卒業。日常で目にする「もの」にわずかなアプローチを加えることで、その機能・法則・素材などの要素を顕在化させる作品を手がけてきた。

 現実と虚構、絵画性と写真性といった要素が混ぜ込まれ、近年ではそこに映像作品が加わって入れ子の構造をとる玉山によるインスタレーション。そして、石、輪ゴム、鼻歌、棚、落書きなどのモチーフを、点と線に分解することで、2次元と3次元の空間認識を往来させるかのような松延の作品。

 本展では2人の取り組みを通して、鑑賞者は「もの」に対する観察と発見、定義と再定義、生成と分解などの様々な認識を体験することができるだろう。