EXHIBITIONS

屏風爛漫

ひらく、ひろがる、つつみこむ

2019.04.02 - 05.06

伊藤若冲 樹花鳥獣図屏風(右隻) 江戸時代 18世紀 静岡県立美術館蔵

伊藤若冲 樹花鳥獣図屏風(左隻) 江戸時代 18世紀 静岡県立美術館蔵

 現代の住環境ではあまり馴染みのない「屏風」は、調度品にはじまり、間仕切りや風よけとして人々に使われていた。一面一面を折ることで自立する、移動できるといった屏風の性質は、実用的な道具として適していた。

 こうした「もの」としての特徴は、屏風に描かれる絵にも影響を与え、屏風絵ならではの魅力ある造形を生み出した。また、多くの屏風が大画面であったことも起因して、置かれた場所に意味を与え、独特の空間につくりあげる力を持っていた。

 本展では、桃山時代から現代までの、華やかな屏風が集結。静岡県立美術館のコレクションを中心に、伊藤若冲の渾身の一作《樹花鳥獣図屏風》や、長寿を象徴する鶴の群れが集う、石田幽汀の《群鶴図屏風》、狩野探幽の稀少な武者絵《一ノ谷合戦・二度之懸図屏風》などが展示される。