江戸中期の画家・伊藤若冲(1716~1800)は、伸緻密な線描と極彩色の作品で知られるいっぽうで、伸びやかな筆遣いとユーモラスな表現が特徴的な水墨画も数多く残した。
若冲作品の魅力は、動植物すべての生命に等しく向けられた画家の眼差しだ。今回、福島県立美術館で開催される単独展では、そういった生命の輝きが美しく描かれた若冲作品を国内外から集結。約100点の名品を通じて、若冲芸術の軌跡をたどることができる。
加えて、天明の大火(1788)で焼け野原になった故郷を目の当たりにした晩年の若冲が、復興に寄せた当時の思いもあわせて紹介。東日本大震災からの復興に向けて取り組む福島県民の心の復興に寄与することを目指す。