EXHIBITIONS

王羲之書法の残影―唐時代への道程―

東京国立博物館 東洋館
2019.01.02 - 03.03

王羲之 定武蘭亭序(呉炳本) 中国 東晋時代・永和9(353)年 高島菊次郎氏寄贈 東京国立博物館蔵

 書法が最高潮に到達した東晋時代に活躍した王羲之は、時代を先取りした前衛的な書によって後の南北朝時代の書に深い影響を与えた。

 貴族勢力が強大だったため王朝が交替を繰り返し、48年にわたって君臨した武帝の時代に全盛期を迎えた南朝。そこでは王羲之、王献之による洗練された書が脈々と継承された。いっぽう、北朝には北魏・東魏・西魏・北斉・北周の5王朝が興亡。やがて西魏が梁の都の江陵(こうりょう)を陥落すると、南朝の書風が北朝に流入。そして589年の隋の統一によって、南北で育まれてきた書風はさらに融合し、唐時代の理知的で美しい書が生まれた。

 台東区立書道博物館(~3月3日)との連動企画第16弾となる本展は、南北朝時代と隋時代の書に注目。なお、東京国立博物館 平成館では、唐時代の書に焦点を当てた特別展「顔真卿 王羲之を超えた名筆」(~2月24日)が開催されている。