EXHIBITIONS

The 備前

―土と炎から生まれる造形美―

金重陶陽 耳付水指 1958 東京国立近代美術館蔵

三角花入 桃山時代 個人蔵

伊勢﨑晃一朗 打文花器 2018 個人蔵

徳利 銘 トシワスレ 桃山時代 個人蔵

島村光 ネズミノカップル 1983 個人蔵

 備前焼は、釉薬を施さず土と炎の造形から生まれるシンプルで原始的なやきものとして、古くから日本人に愛されてきた。炎の痕跡を示す「緋襷(ひだすき)」、重ね焼きの丸い跡が連なる「牡丹餅」のほか、「胡麻」や「桟切(さんぎり)」など、薪窯による焼成によって、備前焼はほかのやきものにはない特徴を有している。

 本展では、桃山時代に茶人・数寄者によって見立てられた古備前の名品を展示。さらに、古備前に魅せられ、作陶に取り組んできた近代の作家から、先達の技術を生かして現代の備前を確立しようとする若手の作品まで、重要無形文化財保持者の作品も交え、シンプルでありながら、多彩な表現を生む備前焼の魅力を探る。

 主な出品作家に、金重陶陽、藤原啓、山本陶秀、金重素山、藤原雄、伊勢﨑満、伊勢﨑淳、森陶岳、島村光、金重晃介、隠﨑隆一、金重有邦、伊勢﨑創、矢部俊一、伊勢﨑晃一朗ら。