ハビア・カレヤ「Do Not Touch」

　マラガ現代美術館における奈良美智の個展（2007）のサポートメンバーを務めたこともあるスペインのアーティスト、ハビア・カレヤの日本初個展が開催される。

　ピカソの生誕地として有名なマラガに生まれ、現在も同地で制作を行うカレヤは、幼少期は体操のオリンピック選手を目指す強化選手としてバルセロナで過ごし、その後アーティストへの道を進む。ルネ・マグリッドを参照し、その技法を現代的な肖像画において再解釈しよう試みるカレヤの作品は、鑑賞者が自ずと読み出すようなストーリーを設定した小さな仕掛けが隠され、見る者に驚きとユーモアを与える。

　幼少期より日本のマンガやアニメーションなどに親しんだカレヤにとって、自身の作品の登場人物をキャラクターのように強調させて見せるスタイルは自然と身についたもの。テキストを画面に引用することで、登場人物をよりウィットに富んだキャラクターに仕立てるといった手法は、奈良から学び取った。

　本展では、十数点のキャンバスペインティングのほか、ドローイングと壁画を組み合わせたインスタレーション、等身大の彫刻作品を発表。ギャラリーの空間を通して、鑑賞者ではなく参加者になるような展示構成となる予定だ。