EXHIBITIONS

井村一登、出垣内愛 二人展『battery』

2026.05.16 - 06.20

left: "a solid fountain" (2025) ©Kazuto Imura, courtesy KANA KAWANISHI GALLERY
right: "Legacy System" (detail, 2026) ©Ai Degaito, courtesy KANA KAWANISHI GALLERY

 KANA KAWANISHI GALLERYで、井村一登、出垣内愛による展覧会「battery」が開催されている。

 井村一登は1990年京都市生まれ。京都市立芸術大学総合芸術学科卒業。東京藝術大学大学院美術研究科先端芸術表現専攻修了。光学機器や映らない鏡、魔鏡、黒曜石、回転液体鏡など、素材や技法を横断しながら、人と鏡の関係性の変遷を追う作品を制作している。

 出垣内愛は奈良県明日香村出身。大学や各地の窯業施設で陶磁器・材料熱化学を学び、植物や骨、生活廃棄物や遺品などの灰から釉薬を精製し、個人の記憶を変形しながら刻む「アーカイブ」を追求している。

 本展では、すべて新作を発表するとともに、「井村が出垣内を、出垣内が井村をキュレーションする」という相互参照の構造を軸に、両者の作品を紹介する。

 井村は鏡の構造を解体し再構築するプロセスを通じて、鏡の歴史や素材、技法を探求してきた。今回の展示では、新作《a solid fountain》を展示。工場で鏡にならなかったガラス塊を用いる「mirror in the rough」シリーズに、ナルキッソスの神話的イメージを加えた作品となる。

 出垣内は、陶芸表現における持続可能性を探求しながら、「他者とのコミュニケーション」や「素材の記憶」を釉薬に定着・表象させる表現に取り組んできた。本展では、祖父が営んでいた医院に由来する新作《Legacy System》を展示。分包機に焼成した多様な素材の破片を封入したインスタレーションを通して、素材の保管と継承に着目する。

 素材と制作行為に向き合ってきたふたりの作家による新作を紹介する展覧会となっている。