EXHIBITIONS

αMプロジェクト2025–2026 立ち止まり振り返る、そして前を向く vol.5

飯川雄大|デコレータークラブ:すべて違う姿

2026.04.11 - 06.13
 gallery αMで、αMプロジェクト2025–2026「立ち止まり振り返る、そして前を向く vol.5 飯川雄大|デコレータークラブ:すべて違う姿」が開催されている。ゲストキュレーターに、芦屋市立美術博物館の大槻晃実を迎えた。

 飯川雄大は1981年兵庫県生まれ。2003年成安造形大学芸術学部情報デザイン学科ビデオクラス卒業。鑑賞者が能動的に関わることで変容していく空間や物が別の場所で同時に起きる事象とつながるインスタレーション《0人もしくは1人以上の観客に向けて》や、《ベリーヘビーバッグ》、《ピンクの猫の小林さん》など、鑑賞者の行為によって起きる偶然を契機に思考を誘発する作品を展開し、2007年より〈デコレータークラブ〉シリーズを発表している。

 本展に寄せて、飯川は次のように述べている。

 「数年ぶりに会った大学の先生が『飯川くん、自主企画で作品発表しても価値はない、評価されないよ』と言ってきた。『嫌なこと言うなぁ』と思いつつ、つまりは、展覧会はいろんな人と協働してつくるもので、好き勝手やるだけじゃダメ。その自主企画のスタイルは続かない。誰かに作品を認めてもらい、一緒に何かしようと言ってもらえるようになりなさい、と。

 大学卒業後は、空き店舗を借りたり、自分たちの家やアトリエを使って、自由に作品を発表していた。お客さんはほとんど友達だったり、たまに美術関係の人が来たり。先生は冷たかったが、案外やりたいことができている実感はあった。

 自主企画もほどほどにと言われ、その後も何かの企画に呼ばれて発表する機会はなく、このままではあかんと思った。誰にも頼まれてないけど、やっぱり企画して発表するところまで自分でやろうと。声がかかった時のために準備しておくのもいいかもしれない。漠然と、場所にとらわれず、いつでもどこにいても制作して発表ができる作家になりたいと思っていた。その都合の良い理想の設定を成立させるべく、逆算して考えたのが『デコレータークラブ』。

 もとになったデコレータークラブ(クラブは蟹のCrab!)は、世界中の海に生息し、天敵から身を守るために擬態する習性を持つ。1匹ずつ、その場所にあるものを身につけているから、同じ見た目、形のものは世界にひとつとして存在しない。どこにでもいるはずなのに、すべて違う姿なのだ。もし誰かが見ても、見つけても、何を見たのかわからない。その関係性は、展覧会や作品の表現として使えると思った」(展覧会ウェブサイトより)。