EXHIBITIONS

嶋田美子「滅私|愛護」

 オオタファインアーツで、嶋田美子による個展「滅私|愛護」が開催されている。

 本展は、嶋田が1990年代前半に発表した作品で構成される。

 昭和の終焉である1989年と敗戦から50年を経た1995年とのはざまで、日本人女性の戦争参加について考察した「Past Imperfect(過去不完了)」シリーズの作品群に注目する。その後の時代においても、嶋田は自身の作品と戦中の国策標語を通して、女性の社会参加や自己実現について問い直す。

 展覧会タイトルの「滅私」と「愛護」は、戦中標語に頻出する概念となる。これらは「銃後の守り」を担った婦人会の活動と結びつき、女性の役割や社会参加の在り方を示す言葉となっていた。女性の社会参加は、家事、育児、介護などの再生産労働を中心とし、それらは国家のもとで「社会的労働」として位置づけられた。

 今回の展示では、こうした歴史的背景を踏まえ、国家と女性との関係をめぐる問題を提示する作品を紹介する。