特集展示：ギリシア・ローマ文化と仏教

　龍谷大学 龍谷ミュージアムで、シリーズ展「仏教の思想と文化―インドから日本へ― 特集展示：ギリシア・ローマ文化と仏教」が開催される。

　本展は、仏教の総合博物館として活動する龍谷大学 龍谷ミュージアムが位置づけるシリーズ展「仏教の思想と文化―インドから日本へ―」の一環として開催。インドで誕生した仏教がアジア全域へと広まり、日本社会に根づいていく約2500年の歩みを、「アジアの仏教」と「日本の仏教」に分けて紹介する。

「アジアの仏教」では、釈尊の生涯を表した仏伝浮彫や仏教文献を中心に、仏教伝播の歴史や思想の特徴を概観する展示を行う。また、龍谷大学図書館が所蔵する大谷探検隊将来品を、各展示の文脈に即して紹介する。

　本シリーズ展では、毎回小さなテーマを設けた特集展示を実施。今回の特集展示では「ギリシア・ローマ文化と仏教」をテーマとし、前4世紀以降、現在のパキスタン北西部を中心とするガンダーラ地域にもたらされたギリシア、ローマ、ペルシアなどの西方文化と仏教との関係に注目する。『ミリンダ王の問い』に見られる思想的交流や、ギリシア神話の英雄ヘラクレスの姿で表現された仏教の守護神ヴァジュラパーニ（執金剛神）などの事例を通して、前2世紀から後5世紀頃のガンダーラ地域における多様な文化的要素を紹介する。