水の情景 ― 大観の描く海・川

　横山大観記念館で「水の情景 ― 大観の描く海・川」が開催されている。

　横山大観は富士山の画家として知られるが、花鳥画や風景画など多様な作品を残し、生涯を通して水の表現を追究した。

　本展では、水面に映る光、波の揺らぎ、流れのリズムなどを描いた作品に注目し、大観の筆致による水の情景を紹介。横山大観記念館が所蔵する「海」や「川」を主題とする作品群を通して、大観の制作過程や手法を示す資料を展示する。

　今回の展示では、満月と、それを水に浮かべた船で眺める布袋を描いた作品を取り上げる。月と布袋のあいだには曖昧な空間が広がり、淡い地塗りが施されている点に特徴がある。同作品は、ガラスケースを用いない床の間に展示される。

　さらに、横山大観の絵巻物《四時山水》のうち、晩夏の嵯峨野の竹林から秋の保津川の紅葉までの部分を公開している。