力石咲「アモルファス」

　艸居で、力石咲の個展「アモルファス」が開催される。

　力石咲は1982年埼玉県生まれ。2004年に多摩美術大学美術学部情報デザイン学科を卒業した。ものや人、まちとの「つながり」に関心を注ぎ、編むことをコミュニケーションのメディアとした作品を手がけてきた。近年の世界情勢を目の当たりにし、自分自身と関わることへ立ち戻り、異なるつながり方を見出そうとしている。

　　本展は、個展タイトルである「アモルファス」にもとづき、作品が空間やギャラリー、人々など多様な要素と融合することで、秩序と無秩序のあいだに変化を生じさせる点に注目する。1次元の糸から3次元の物体が立ち上がる制作過程を手がかりに、素材の構造や粒子的なつながりに焦点を当てた作品を展示する。

　会場では、立体作品をはじめ、「編み図」をモチーフとしたドローイング、ガラスと砂をもちいた作品、砂粒の凹凸に微細な糸が絡み定着する技法による絵画を紹介。さらに、亘理町立郷土資料館の協力により、地域の年中行事である七夕馬と、そこから着想された「ほどける馬っこ」も展示される。これは、「WATARI TRIPLE［C］PROJECT」への参加を通して育まれた地域との関わりを反映するものである。