EXHIBITIONS
那須佐和子「ライナスの布」
KEN NAKAHASHIで、那須佐和子による個展「ライナスの布」が開催されている。
那須佐和子は1996年東京都生まれ。2023年に東京藝術大学大学院美術研究科絵画専攻(小林正人研究室)を修了。幼少期を演劇一家の中で過ごし、舞台美術や演出に関わるなかで、独自の空間表現を培った。薄く層を重ねて描く油彩を用いた風景画や人物画を中心に制作しており、現代に生きる自分と過去の芸術との埋めがたい距離をテーマに今日の絵画表現の可能性を模索している。
本展では、那須の制作姿勢を象徴する、古いキャンバスを用いた作品を展示。
タイトルに掲げられた「ライナスの布」は、漫画『ピーナッツ』に登場するキャラクター・ライナスが肌身離さず持ち歩く毛布、通称「ライナスの毛布」に由来。幼少期の安心感や愛着の象徴として知られる「ライナスの毛布」をキャンバスになぞらえることで、那須自身の創作と深く結びつくテーマとして提示している。那須は、これらのキャンバスには過去の画家たちが触れた痕跡や時の流れが刻まれており、物理的な傷や古びていく過程も、重要な要素としてとらえている。わずかな加工や描き込みにより、これまで潜んでいた物語や感覚を呼び覚まし、時間と記憶が交錯するような視覚体験を生み出す。
また、本展は、展示空間全体を包み込むように配置される大作のほか、小作品が随時入れ替えられる柔軟な展示設計が採用。さらに、展示の過程で打たれた釘やビス穴も空間の一部として活かされ、会期中に変化し続ける場が形成される。
那須佐和子は1996年東京都生まれ。2023年に東京藝術大学大学院美術研究科絵画専攻(小林正人研究室)を修了。幼少期を演劇一家の中で過ごし、舞台美術や演出に関わるなかで、独自の空間表現を培った。薄く層を重ねて描く油彩を用いた風景画や人物画を中心に制作しており、現代に生きる自分と過去の芸術との埋めがたい距離をテーマに今日の絵画表現の可能性を模索している。
本展では、那須の制作姿勢を象徴する、古いキャンバスを用いた作品を展示。
タイトルに掲げられた「ライナスの布」は、漫画『ピーナッツ』に登場するキャラクター・ライナスが肌身離さず持ち歩く毛布、通称「ライナスの毛布」に由来。幼少期の安心感や愛着の象徴として知られる「ライナスの毛布」をキャンバスになぞらえることで、那須自身の創作と深く結びつくテーマとして提示している。那須は、これらのキャンバスには過去の画家たちが触れた痕跡や時の流れが刻まれており、物理的な傷や古びていく過程も、重要な要素としてとらえている。わずかな加工や描き込みにより、これまで潜んでいた物語や感覚を呼び覚まし、時間と記憶が交錯するような視覚体験を生み出す。
また、本展は、展示空間全体を包み込むように配置される大作のほか、小作品が随時入れ替えられる柔軟な展示設計が採用。さらに、展示の過程で打たれた釘やビス穴も空間の一部として活かされ、会期中に変化し続ける場が形成される。