EXHIBITIONS

藤原彩芽「体温の波がきこえる」

2025.01.10 - 01.18, 2025.01.21 - 02.01

藤原彩芽 道の様子8

 GALLERY SCENA. by SHUKADOで、藤原彩芽による個展「体温の波がきこえる」が開催されている。

 本展は、人と人がどのように存在しあうのかをテーマに探求しており、明るさと不穏さが交錯するモチーフは、現代社会そのものを映し出しているかのようでもある。

 出展作家の藤原彩芽は2001年宮城県生まれ。現在は武蔵野美術大学大学院油絵コースに在籍。これまでに、CAF賞2022で保坂健二郎審査員賞を受賞。同廊の主催するmuni Art Award 2023ではグランプリと土方明司賞を受賞し、2023年度の武蔵野美術大学卒業制作優秀賞も受賞するなど、今後の活躍が期待される作家だ。

 藤原は、muni Art Award 2023でグランプリを受賞した際、その不定形の枠に描かれた不穏な動物の描写が審査員を惹きつけた。藤原の作品には、アーティストとしてなぜ社会と関わるのかという問いが込められており、世界を身体で受け止め、それを表現しようとする思いが込められる。

 本展では、「居場所をつくること」をテーマに掲げており、自身と他者との距離や関係性のなかで、作家が日々感じる事象から着想を得ながら、独自の作品世界を構築。人間に対する欲望や失望といった相反する要素が投影された作品から放たれるエネルギーがつねに動き広がり続けている。