小川晴暘と飛鳥園　100年の旅

　パラミタミュージアムで、企画展「小川晴暘と飛鳥園　100年の旅」が開催されている。

　本展では、写真家・小川晴暘（おがわ・せいよう、1894〜1960）が創立し、2022年に創立100年を迎えた仏像撮影部門の写真館「飛鳥園」の歩みを紹介。

　兵庫県姫路市に生まれた晴暘は、1922年、會津八一の勧めで奈良に「飛鳥園」を創業。東洋美術の研究にも熱中し、中国の雲岡石窟、韓国の石窟庵、仏国寺、カンボジアのアンコール・ワットなど、アジアの文化遺産の調査・撮影も積極的に行なった。

　本展では、小川晴暘・光三親子の写真作品を中心に、文化財保護活動を支えると同時に仏像写真を芸術の域に高めた飛鳥園の活動を振り返る。晴暘が遺したスケッチや拓本、『東洋美術』などの資料もあわせ、古美術・文化遺産を愛した小川晴暘という人物の姿に迫る。また、現在も活動を続ける飛鳥園が近年撮った写真も交え、飛鳥園という「眼」がレンズを通して切り取った100年の眼差しを感じられる展覧会となっている。