EXHIBITIONS
野田幸江展「きれいな場所」
ミヅマアートギャラリーで、野田幸江による個展「きれいな場所」が開催されている。
野田幸江は1978年滋賀県生まれ。画家として絵画制作の傍ら、家業である花屋「ハナノエン」で植物に携わる。日常にある植物に触れ、風景についての創作を行っており、自然の要素を配置する空間的な表現や、営みから生まれる植物作品、庭づくりなどを含め、循環するものの感触を探り続けている。Artists' Fair Kyoto 2021 Akatsuki Art Awardでは最優秀賞を受賞。今秋竣工するTODA BUILDING(京橋)のパブリックアートプログラムに参加するなど注目を集めている。
中目黒にあったミヅマ・アクションでの野田の個展「もう一つの世界-喜多利邸再現-」が開催されたのは19年前の2005年。虚飾や表面性を剥ぎ取られ露わにされた人間や社会の滑稽さと痛み、世界とその中にある命の美しさが、神話や寓話を思わせる絵画作品とインスタレーションで表現され強い印象を残した。
数年後、しばらく制作から離れていた野田が新たに描き始めたのは、それまでの寓話的な匿名性や記号性から一転し、確かに自分の目の前にある景色であった。作品から感じられる儚い生の苦味と存在への慈しみは、野田にとってもっとも身近に見続けている景色である花の貌にも同様に柔らかく内包されている。
会期中は空間に置かれた水や土のかたまり、足を踏み入れた人の動きも含め、それぞれの現象が関係性を持って流れていく場所となっている。
野田幸江は1978年滋賀県生まれ。画家として絵画制作の傍ら、家業である花屋「ハナノエン」で植物に携わる。日常にある植物に触れ、風景についての創作を行っており、自然の要素を配置する空間的な表現や、営みから生まれる植物作品、庭づくりなどを含め、循環するものの感触を探り続けている。Artists' Fair Kyoto 2021 Akatsuki Art Awardでは最優秀賞を受賞。今秋竣工するTODA BUILDING(京橋)のパブリックアートプログラムに参加するなど注目を集めている。
中目黒にあったミヅマ・アクションでの野田の個展「もう一つの世界-喜多利邸再現-」が開催されたのは19年前の2005年。虚飾や表面性を剥ぎ取られ露わにされた人間や社会の滑稽さと痛み、世界とその中にある命の美しさが、神話や寓話を思わせる絵画作品とインスタレーションで表現され強い印象を残した。
数年後、しばらく制作から離れていた野田が新たに描き始めたのは、それまでの寓話的な匿名性や記号性から一転し、確かに自分の目の前にある景色であった。作品から感じられる儚い生の苦味と存在への慈しみは、野田にとってもっとも身近に見続けている景色である花の貌にも同様に柔らかく内包されている。
会期中は空間に置かれた水や土のかたまり、足を踏み入れた人の動きも含め、それぞれの現象が関係性を持って流れていく場所となっている。