EXHIBITIONS

イ・カンホ「オブセッション」

PAAMA
2024.11.16 - 12.07
 アートディレクター・前田晃伸は、神楽坂に新たなスペース「PAAMA(パーマ)」をオープンした。記念すべき柿落とし展として、韓国のデザイナー・アーティスト、イ・カンホによる個展「Obsession」が開催されている。

 イ・カンホ(Lee Kwangho)は1981年京畿道九里市(ソウルの隣接市)生まれ。弘益大学校で金属造形デザイン学科を学んだ後、ソウルを拠点に活動している。農業を営む祖父が、身近な素材から日用品を手づくりしていた記憶から、ありふれたものに新しい意味と機能を与えるという手法で継続的に新しいシリーズを制作。エルメス、フェンディ、ポルシェ、サムスンなどの企業をクライアントに持ち、世界各地の国際展示会で作品を発表してきた。また、作品はモントリオール美術館やサンフランシスコ近代美術館のパーマネントコレクションとして収蔵されている。

 スタイロフォーム、ポリ塩化ビニル、鉄、陶土など、多様な日用品を用いながら幅広い表現をするカンホは、現在、韓国のデザインシーンを牽引するデザイナーのひとりである。本展では、カンホのシグネチャースタイルであるロープやケーブルを用いた編み込む作品を紹介。「Obsession(執着)」と名付けられた本シリーズは、プランターとしての役割を意識しながらも、カンホの手によって編み込まれた作品群は、彼の執着を表すように強烈な存在感を放っている。

 また、本展にあわせ、TOO MUCH Magazineの編集チームが制作した展覧会の作品集が発行。前田晃伸が韓国の聖水(ソンス)と河南(ハナン)にあるカンホのスタジオを訪れ、作品やワークショップを撮影し、今回の出展作品を写真家・伊丹豪が東京で撮影した。カンホのエクスクルーシブインタビューも掲載。また、本誌のアートディレクションも前田が務めている。PAAMAの内装を手がけたデザイナー・関祐介による什器も展示のために制作され、カンホの世界観を強調している。