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EXHIBITIONS

戦後西ドイツのグラフィックデザイン展 モダニズム再発見

Back to Modern – Graphic Design from West Germany

2024.10.26 - 2025.02.24

ヴォルフガング・シュミット バウハウス 思想/形/目的/時間 展 オスナブリュック文化歴史博物館 1964 ポスター

 西宮市大谷記念美術館で「戦後西ドイツのグラフィックデザイン展 モダニズム再発見」が開催されている。

 本展では、デュッセルドルフ在住のグラフィックデザイナー、グラフィックデザイン研究者・大学教授であるイェンス・ミュラーが設立した「A5コレクション・デュッセルドルフ」を日本で初めて紹介。戦後西ドイツのグラフィックデザイン資料を中心に収集し、ポスターは1000点以上、その他資料類は1万点を超える規模に成長した本コレクションは、戦後の分断から1990年ドイツ統一までのグラフィック表現を探るうえで重要なものとなっている。

 戦前のドイツではバウハウス(1919〜33)がモダンデザインの思想と教育を世界に示し、戦後の西ドイツではその理念を継承するウルム造形大学が1953年に開設。第二次世界大戦後、アメリカのデザインがもてはやされるなか、ドイツではモダニズムの思想を受け継ぎながら、デザインと科学・哲学・社会思想などとの接点を探る、デザインの理論と実践を発展させていった。

 1950年代末、西ドイツのGNPは世界第2位に躍進し「経済の奇跡」と呼ばれたが、その背景にはドイツ特有のデザインシステムが関与したことが考えられている。世界でもっとも古い歴史を持つセーリング・フェスティバル「キールウィーク」、1972年のミュンヘンオリンピック、カッセルで5年に一度開催される現代美術展「ドクメンタ」など、スポーツや文化における国家的イベントのイメージを形成するうえでも、グラフィックデザインは大きな役割を果たした。

 本展では、ポスター約130点、その他冊子、雑誌などグラフィック関係の小品約250点で、戦後西ドイツにおけるグラフィック表現の魅力に迫る。