ピエロ・ゴリア「Impressions」

　Graphpaper Kyoto 蔵で、ピエロ・ゴリアによる個展「Impressions」が開催される。

　今回、ピエロ・ゴリアが2018年に制作した日本の伝統的な木版画シリーズ「Impressions」を日本で初めて展示。同作品は、三重県の名匠たちと協力し、京都で角甲耕の監修のもと、精緻に制作された。吉木山口の和紙に刷られた同シリーズは、抽象と現実の橋渡しを行い、文化的な伝統を尊重しつつ、現代の鑑賞者に向けて再解釈している。

　本展は、ゴリアが古代の木版画技術を現代の視点から再生し、鑑賞者を深い思索の空間へと誘う。ゴリアの作品は、質感と形状の繊細なバランスを示し、コンセプチュアルなアイデアを職人技の物理的な側面と交差させている。微妙な色調の変化や構造のシフトを通じて、同シリーズは、現代性と伝統との対話を生み出し、鑑賞者に歴史の響きを一つひとつの版画から感じさせる。本展は、ゴリアが芸術の境界を押し広げ、古来の技法を新たな視点から解釈する姿勢を強調している。

　また、「Impressions」は木版画のプロセスの触覚的な側面を強調。各版画には職人たちの卓越した手仕事が刻まれており、一つひとつの彫り込みや色の重なりがその技術力を物語っている。ゴリアと職人たちとの共同作業は、アイデアのダイナミックな交換を生み出し、芸術制作の協働精神と、今日の急速に進化する芸術界における伝統技術の持続的な重要性を祝している。