EXHIBITIONS
心のまんなかでアートをあじわってみる
原美術館ARCで「心のまんなかでアートをあじわってみる」が開催されている。
明治時代初期に原六郎が東洋古美術を蒐集し始めてから130年あまり、1979年に現代美術の紹介に特化した原美術館が開館して45年。長い歳月を経てコレクションされた作品たちには、それぞれの歴史的な背景はもちろん、ユニークな特徴が満載となっている。
おもしろい、楽しい、きれいといった気持ちを高揚させる作品もあれば、難しい、悲しい、怖いというイメージを呼び起こす近寄りがたい作品に出合う場面もあるかもしれない。そのいっぽうで、一目見ただけでは惹かれなかった作品でも、展示空間や展覧会のテーマの違いで改めてその魅力に気が付いたり、過去に見た作品でも隣にいる人との会話や新しく得た知識に影響され新鮮に映ることもある。あるいは、作家の考え方や制作背景を知るにつれて自身が描いた想像とのギャップに驚くといった経験などは、誰でも身に覚えがあるかもしれない。
本年度開催の「まんなか」展、第1期(春夏季)は「日本のまんなかでアートをさけんでみる」と題し、同館のコレクション作品を中心に、「日本のまんなか」を自称する群馬県渋川市から、あるいは鑑賞者自身から「外側」へアートを発信していくような企画が開催された。続く第2期にあたる本展では「心のまんなかでアートをあじわってみる」と題し、作品に向かいあう人それぞれが自身の心の「内側」へと美術を引き寄せることを提案する。
専門的な知識がないと楽しめないと思われてしまう現代美術だが、本来「鑑賞」することの語源は「味覚」や「趣味」を意味するtasteと同じであり、またそこには個人の「好み」で「判断」する行為も含まれる。いま目の前にある作品と向かいあう時間を、より個人的な喜びを手掛かりにしながら五感に触れるものに寄り添う経験と言い直すことができるのであれば、正しい解釈とは何かと頭を悩ませることからは少しだけ距離を置き、自身の気持ちを拠り所に現代美術への関心を深めることができるだろう。
明治時代初期に原六郎が東洋古美術を蒐集し始めてから130年あまり、1979年に現代美術の紹介に特化した原美術館が開館して45年。長い歳月を経てコレクションされた作品たちには、それぞれの歴史的な背景はもちろん、ユニークな特徴が満載となっている。
おもしろい、楽しい、きれいといった気持ちを高揚させる作品もあれば、難しい、悲しい、怖いというイメージを呼び起こす近寄りがたい作品に出合う場面もあるかもしれない。そのいっぽうで、一目見ただけでは惹かれなかった作品でも、展示空間や展覧会のテーマの違いで改めてその魅力に気が付いたり、過去に見た作品でも隣にいる人との会話や新しく得た知識に影響され新鮮に映ることもある。あるいは、作家の考え方や制作背景を知るにつれて自身が描いた想像とのギャップに驚くといった経験などは、誰でも身に覚えがあるかもしれない。
本年度開催の「まんなか」展、第1期(春夏季)は「日本のまんなかでアートをさけんでみる」と題し、同館のコレクション作品を中心に、「日本のまんなか」を自称する群馬県渋川市から、あるいは鑑賞者自身から「外側」へアートを発信していくような企画が開催された。続く第2期にあたる本展では「心のまんなかでアートをあじわってみる」と題し、作品に向かいあう人それぞれが自身の心の「内側」へと美術を引き寄せることを提案する。
専門的な知識がないと楽しめないと思われてしまう現代美術だが、本来「鑑賞」することの語源は「味覚」や「趣味」を意味するtasteと同じであり、またそこには個人の「好み」で「判断」する行為も含まれる。いま目の前にある作品と向かいあう時間を、より個人的な喜びを手掛かりにしながら五感に触れるものに寄り添う経験と言い直すことができるのであれば、正しい解釈とは何かと頭を悩ませることからは少しだけ距離を置き、自身の気持ちを拠り所に現代美術への関心を深めることができるだろう。