EXHIBITIONS

日本のまんなかでアートをさけんでみる

2024.03.16 - 09.08

佐藤時啓 光―呼吸 Harabi#2 2020 150 × 197 cm ピグメンプリント © Tokihiro Sato

 原美術館ARCでは、毎年、同館から発信する意味や意義を考慮したテーマの展覧会を開催している。2024年春夏季は、「日本のまんなかでアートをさけんでみる」と題し、おもに同館コレクションと原六郎コレクションから厳選した作品が展示されている。

 群馬県渋川市、「日本のまんなか」と称される街に原美術館ARCは位置する。古くから三国街道の宿場町として栄え、伊香保の名湯を有し、赤城や榛名の山々をのぞむ渋川市は、「日本の主要四島で最北端の北海道宗谷岬と最南端の鹿児島県佐多岬を円で結んだ中心に位置する」ことから「日本のまんなか」とされ、夏にはユニークな「へそ祭り」が開催されるなど独自の文化を育む街である。しかし、「日本の中心」、「真ん中」と称される街はほかにもある。つまり、物事をとらえる角度や尺度を変えれば、中心はその位置を様々に変化させることができる。

 本展では、原美術館とハラ ミュージアム アークをモチーフに制作された佐藤時啓「光-呼吸」全12作品を展示。これらはすべて、原美術館最後の展覧会「光-呼吸 時をすくう5人」展出品作だ。また、陽光のきらめきや雲の造形、草木の香りや鳥のさえずりなど、豊かな自然とその移ろいとともにある、時間芸術のような原美術館ARCでのアート体験を展開。会場では、アーティストとの交流と信頼関係を礎に収蔵された作品の数々を展覧している。