EXHIBITIONS

ルイーズ・ブルジョワ展:地獄から帰ってきたところ 言っとくけど、素晴らしかったわ

2024.09.25 - 2025.01.19

ルイーズ・ブルジョワ ママン 1999 / 2002 所蔵:森ビル株式会社(東京)

 森美術館で「ルイーズ・ブルジョワ展:地獄から帰ってきたところ 言っとくけど、素晴らしかったわ」が開催される。

 ルイーズ・ブルジョワ(1911〜2010)は、70年にわたるキャリアのなかで、インスタレーション、彫刻、ドローイング、絵画など、様々なメディアをもちいながら、男性と女性、受動と能動、具象と抽象、意識と無意識といった二項対立に潜む緊張関係を探求した。そして、対極にあるこれらの概念を比類なき造形力によって作品のなかに共存させてきた。

 ブルジョワの芸術は、幼少期に経験した複雑で、時にトラウマ的な出来事をインスピレーションの源としている。ブルジョワは記憶や感情を呼び起こすことで普遍的なモチーフへと昇華させ、希望と恐怖、不安と安らぎ、罪悪感と償い、緊張と解放といった相反する感情や心理状態を表現した。また、セクシュアリティやジェンダー、身体をモチーフにしたパフォーマンスや彫刻は、フェミニズムの文脈でも高く評価されてきた。

 本展の副題「地獄から帰ってきたところ 言っとくけど、素晴らしかったわ」はハンカチに刺繍で言葉を綴った晩年の作品からの引用。日本で27年ぶり、また国内最大規模の個展となる本展覧会では、約100点に及ぶ作品群を3章構成で紹介し、その活動の全貌に迫る。自らを逆境を生き抜いた「サバイバー」だと考えていたルイーズ・ブルジョワの、生きることへの強い意志を表現するその作品群を公開する。