3年ぶりに6月の会期で開催され、19日に閉幕したアート・バーゼル2022。今年のフェアには、40の国と地域から289の国際的ギャラリーが参加し、VIPデーを含む6日間で約7万人の来場者を記録した。
今年は、「ギャラリー」「フィーチャー」「ステートメント」「エディション」などのセクションで様々な年代やジャンルの作品が紹介されたほか、「アンリミテッド」では70点の大型作品、「パルクール」では21点のサイトスペシフィックなプロジェクト、そしてメッセ広場では昨年亡くなったアメリカのコンセプチュアルアーティスト、ローレンス・ウィナーによる大型インスタレーション《OUT OF SIGHT》などが展示された。
ヨーロッパ、アメリカ、中東、アフリカからの個人コレクターが参加したほか、ポンピドゥー・センターやメトロポリタン美術館、ニューヨーク近代美術館、グッゲンハイム美術館、テート、ナショナル・ギャラリー・シンガポールなど300以上の美術館や施設のキュレーターや代表者が来場したという。
アート・バーゼルのグローバルディレクターであるマーク・シュピーグラーは、声明文で次のようにコメントしている。「今年は、ヨーロッパだけでなく、アメリカやアジアからもコレクターやキュレーターが集まった。また、展示作品のクオリティの高さから、会期中、あらゆるレベルで活発なセールスが展開された。このフェアは、文化人同士の活発な出会いの場として、対面式イベントの重要性を如実に示している」。
初日の14日には、ハウザー&ワースが出品したルイーズ・ブルジョワによる彫刻《Spider》(1996)が4000万ドル(約54億円)で販売され、公表された数字のなかで今年のアート・バーゼルにおける最高額を記録。そのほか、フィリップ・ガストンやジョージ・コンド、フランク・ボウリング、マーク・ブラッドフォード、アーシル・ゴーキーなどの作品も250万ドル〜550万ドルの価格帯で取引され、初日のみで30点以上の作品が販売された。