山本篤、和田昌宏「映像小屋2／接続の光」

　シュウゴアーツで、山本篤、和田昌宏による展覧会「映像小屋2／接続の光」が開催されている。

　昨年から引き続き2回目となる山本篤の《映像小屋》は、ギャラリーの一室を映画館のような暗室にし、プログラム仕立てで新作を上映する空間となっている。映像というメディアはキュレーションの枠組みの中で多用されるようになったが、《映像小屋》は一枚の絵と向きあうように、山本の世界観に没頭するためのスクリーニングとして位置付けている。今年はゲストアーティストに和田昌宏を招き、ギャラリーの後室にインスタレーションを同時発表。

　国立奥多摩美術館やOngoing Collectiveなどの活動に関わる二人は、長年にわたりお互いの制作に協力しあってきた。会社員である山本は休日にロケに出かけ、ひたすら撮影に没頭。そうして自分が見たい風景を映像として描き起こしていくことにアーティストとしての充実を見出している。いっぽう、和田は映像やインスタレーションを手法とし、身の回りの場や人との関係や物語から作品の姿を見出し組み立てている。匂い、音、温度、物理的な力など様々な要素を用いながら、文脈そのものを転換していくようなダイナミックな作品を制作。

　本展では、山本は夕方から夜にかけての時間帯や、車を走らせながら風景を撮影し、時間や空間の変化とそれに対する人々の姿を映し出す6点の作品を発表。和田はホワイトキューブのギャラリーに異質な光と影をもたらし、展示空間全体を別の次元へと変換する試みを行う。