和田昌宏と永畑智大による2人展「国立奥多摩物語~12月のオーロラ~」が、東京・代官山のLOKO GALLERYで開催される。本展は、青梅にシェアアトリエを構え、展覧会やイベントを行うアーティスト・コレクティヴ「国立奥多摩美術館」と同ギャラリーの共同企画によるもの。会期は12月13日~2020年1月25日。
和田は1977年生まれ。これまで映像を軸として、大がかりな可動式インスタレーションやパフォーマンス、彫刻などの作品群を手がけてきた。現在は2021年の完成を目指し、より多くの人が関わり、より多様な要素を秘めた映画作品の制作に取り組んでいる。
本展で和田は、会場でパフォーマンスや撮影を行い、それによって生まれた映像素材を次々に展示。展示空間と映画作品が相互に侵食しあう様相は、従来の「映画」「美術」といった作品の形態のあり方を問いながら、その境界線を柔軟に往来するものとなるだろう。
いっぽうの永畑は1983年生まれ。これまで彫刻、マンガ、国立奥多摩美術館の3つの柱を軸に活動してきた。自作の彫刻の写真をマンガのなかに取り入れたり、マンガに描いたキャラクターを彫刻化したりと、両者を横断しながら制作を行っている。
本展では彫刻作品の最新版として、初のブロンズ化が施された作品を出展予定。彫刻とマンガというふたつの軸足が相互に有機的な影響を与え合い、新たな表現が生み出される過程を見ることができる。
本展は今年10月に開催された「国立奥多摩物語~10月のオーロラ~」(国立奥多摩美術館)を再構成した発展形であり、2020年2月以降には続編としての展覧会が予定されている。これらの展覧会を通して、ふたりの実験的な挑戦がどのような地点に帰結するのかを目撃したい。