EXHIBITIONS

ぼく脳展

PARCO MUSEUM TOKYO
2024.06.28 - 07.15

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 PARCO MUSEUM TOKYOで、「金三昧・KANE-ZANMAI」とのタイアップとして、独創的なアートセンスによってSNS上でカルト的な人気を誇る「ぼく脳」初の大規模個展が開催されている。

 芸人、パフォーマー、アーティストと肩書きされるぼく脳は、マルチな表現者として知られ、その活動範囲もSNSをはじめ、クラブやライブハウス、テレビ、展覧会、アパレルなど多岐にわたり、とらえ所がない。例えば、お笑いの舞台ではただステージを掃除し続け、バンド「Nature Danger Gang」のライブではおもに食事をし続け、DJでは無音の音楽であるジョン・ケージの「4分33秒」を流したと思えば、かけ忘れていたことに気づくなど、ナンセンスを極めたアイデアで定型化された表現の脱構築を図ってきた。2024年からはテレビの構成作家も務め、その才能をさらに社会へと広げている。

 アート自体も「ネタ」として扱い、「ピカソ展」(2017)では、会場に作品を置かず、ピカソの本名「パブロ・ディエゴ・ホセ・フランシスコ・デ・パウラ・ホアン・ネポムセーノ・マリーア・デ・ロス・レメディオス・クリスピン・クリスピアーノ・デ・ラ・サンティシマ・トリニダード・ルイス・イ・ピカソ」に使われる・の数だけほくろが描き込まれたぼく脳が座っているだけという展覧会を発表してきた。

 型にはまらない大喜利的な活動でジャンルを越境し続けるぼく脳は、ネット内で熱烈な支持を得ているものの、その本質は掴みどころがない。本展のキュレーターを務めるアーティスト・コレクティブChim↑Pom from Smappa!Groupは、今回、自身のプロジェクト「金三昧」を展覧会や書籍、ショップのプラットフォームとすることで、インフルエンサーのように現象化しているぼく脳の全貌に迫りたいと考えている。

 本展では、大型の新作インスタレーション・パフォーマンスに加え、これまでに1000点を超える膨大な量の作品を発表してきたぼく脳の過去作も織り交ぜて展示。さらに、ぼく脳初となる作品集『ぼく、ぼく脳』を発売し、約1000ページにわたるボリュームで作家のアーカイブを図る。また、展示物は作品やグッズに加え、逆に作品ともグッズとも言えないものなどから構成され、「金三昧」らしく商品と作品の境界を探るかたちで展示。様々な「品」として販売されている。