EXHIBITIONS
海野林太郎「奇跡」
EUKARYOTEで、海野林太郎による個展「奇跡」が開催されている。
これまで、宗教的イコンやビデオゲームなど、⾃⾝のリアリティに根ざしたものを⼿掛かりとする映像・インスタレーションを制作してきた海野林太郎。コロナ禍からはより差し迫ったテーマである「生 / 死」の可能性を両義的に映した個展「What You See is What You Get」のほか、銀座 蔦屋書店をロケ地と同時に展示空間として、様々な文物の集合地を舞台にした異形の者同士の「触れあい / 触れあわない」「共にする / しない」様をビデオ・インスタレーションで発表するなど、私たち個人が信じるものや、見えている世界において記号や言葉では括ることのできない複雑な有り様を表現してきた。
展覧会タイトルでもある「奇跡」は、通俗的に用いられるいっぽうで、宗教や信仰に結びつく言葉でもあるが、かつて聖書を研究し、信仰を持っていた海野にとって本質的な言葉である。今作に至るまでの経緯について、海野は「奇跡」という複雑な現象をいかに描くかに傾注してきたと述べている。
本展では、海野が実際に飛行可能な飛行機の制作に挑む過程と、天使のイメージが軸となる。キリスト教における天界と地上を結ぶ存在として羽がはえた姿で描かれる天使、空を飛ぶ挑戦から始まり商業・軍事利用を伴いながら発展してきた飛行機。海野はこのふたつを人類の天空に対する切なる願望と欲望のかたちとしてとらえたうえで、それらについての映像、絵画、オブジェなどの作品群をインスタレーション形式で発表。
これまで、宗教的イコンやビデオゲームなど、⾃⾝のリアリティに根ざしたものを⼿掛かりとする映像・インスタレーションを制作してきた海野林太郎。コロナ禍からはより差し迫ったテーマである「生 / 死」の可能性を両義的に映した個展「What You See is What You Get」のほか、銀座 蔦屋書店をロケ地と同時に展示空間として、様々な文物の集合地を舞台にした異形の者同士の「触れあい / 触れあわない」「共にする / しない」様をビデオ・インスタレーションで発表するなど、私たち個人が信じるものや、見えている世界において記号や言葉では括ることのできない複雑な有り様を表現してきた。
展覧会タイトルでもある「奇跡」は、通俗的に用いられるいっぽうで、宗教や信仰に結びつく言葉でもあるが、かつて聖書を研究し、信仰を持っていた海野にとって本質的な言葉である。今作に至るまでの経緯について、海野は「奇跡」という複雑な現象をいかに描くかに傾注してきたと述べている。
本展では、海野が実際に飛行可能な飛行機の制作に挑む過程と、天使のイメージが軸となる。キリスト教における天界と地上を結ぶ存在として羽がはえた姿で描かれる天使、空を飛ぶ挑戦から始まり商業・軍事利用を伴いながら発展してきた飛行機。海野はこのふたつを人類の天空に対する切なる願望と欲望のかたちとしてとらえたうえで、それらについての映像、絵画、オブジェなどの作品群をインスタレーション形式で発表。