EXHIBITIONS

生誕150年 池上秀畝 高精細画人

2024.05.25 - 06.11, 2024.06.13 - 06.30

池上秀畝 桃に青鸞図 昭和3(1928) オーストラリア大使館蔵

池上秀畝 松に白鷹図 昭和3(1928) オーストラリア大使館蔵

 長野県立美術館で「生誕150年 池上秀畝 高精細画人」が開催される。

 池上秀畝(1874〜1944)は、現在の長野県伊那市高遠町生まれ。荒木寛畝の最初の門人・内弟子となり、1916年から3年連続で文展特選を受賞、帝展では無鑑査、審査員を務めるなど官展内の旧派を代表する画家として活躍した。

 秀畝の作品は、旧派と一括りにされることが多いが、表現の多様性や、同い年で同じく長野県南部出身の菱田春草に代表される新派とは、また異なる立場から新しい日本画を実践。秀畝は、展覧会芸術だけでなく、襖絵や障壁画といった、室内装飾などにも取り組んでおり、同時代の人々に支持されていたが、近年では新派ほど研究がされておらず、展覧会等で取り上げられる機会も多くはなかった。

 本展では、旧派の代表格とされた秀畝の人生と、特別展示《国之華》(皇居三の丸尚蔵館収蔵)などの代表作をたどり、決して「旧」ではない秀畝の画業の全体像を振り返る。