EXHIBITIONS

菅木志雄「あるというものはなく、ないというものもない」

©️ Kishio Suga

 小山登美夫ギャラリー六本木で、菅木志雄による個展「あるというものはなく、ないというものもない」が開催される。

 菅木志雄は1944年岩手県盛岡市生まれ。1968年に多摩美術大学絵画科を卒業。現在、静岡県伊東市で制作活動を行なっている。

 菅は、1960年代末〜70年代にかけて起きた芸術運動「もの派」の主要メンバーであり、同時代を生きる戦後日本美術を代表するアーティストとして、独自の地平を切り開いてきた。 インド哲学などの東洋的思想に共鳴した自身の哲学をもとに、石や木、金属といった「もの」同士や、空間、人との関係性に対して様々なアプローチをしかけ、「もの」の持つ存在の深淵を顕在化すべく作品を制作。「もの派」への再評価が確固たるものになった今日もなお菅はその思考を深化させ、尽きることのない制作への情熱が、作品の現在性を生んでいる。

 菅は同廊において2015年から毎年精力的に新作を発表し続けており、今回は9回目の開催となる。また、個展カタログも毎回刊行しており、本展では滋賀県立美術館ディレクターの保坂健二朗が執筆した論考を掲載予定だ。