EXHIBITIONS

コレクション展

斎藤義重という起点―世界と交差する美術家たち

斎藤義重 漁村 1956 油彩、ボール紙 神奈川県立近代美術館

 神奈川県立近代美術館 葉山で、コレクション展「斎藤義重という起点―世界と交差する美術家たち」が開催されている。

 本展は、同館で開催される企画展「吉田克朗展―ものに、風景に、世界に触れる」にあわせたもの。本展では、吉田克朗が多摩美術大学で師事し大きな記響を受けた美術家の斎藤義重(1904〜2001)を紹介。斎藤は1960年代にヴェネチア・ビエンナーレへ2度選出されるなど、戦後の美術界で国際的注目を集めた。

 本展では斎藤の作品とともに、斎藤と交流し、このころ世界で活躍した今井俊満、佐藤敬、堂本尚郎などの代表作を展覧。64年、吉田は多摩美術大学絵画科に入学して斎藤教室に学び、その師弟関係は生涯にわたるものとなった。学生運動の混乱のなかで斎藤は美術を志す若者たちを支え「もの派」をはじめとする多くの作家を育てる。本展ではその幅広い活動について斎藤義重アーカイブの資料から紹介し、斎藤を起点に若手作家が世界へと飛躍していった背景をたどる。