遠藤彰子展　生生流転

　札幌芸術の森美術館で「遠藤彰子展　生生流転」が開催されている。

　神奈川県を拠点に活動する画家・遠藤彰子（1947〜）は、「人間の存在」や「いま生きている実感」といった普遍的なテーマを描き続けている。

　寄り集まる人々、ひしめき合う建造物、芽吹き広がる植物や大樹など、多くのモチーフが画面いっぱいに描かれ、エネルギーに満ちた作品世界を構築している。500号（約 2.5 × 3.3メートル）を超える大作は、人々の営みや自然の驚異が細部まで丹念に描き込まれており、観者を躍動的な物語のなかへ引き込む。

　本展では、75点の作品を通して半世紀にわたる画業をたどる。身の回りの環境や出来事を題材にした初期の「楽園シリーズ」、画家として飛躍のきっかけとなった「街シリーズ」、そして最大で約 3.3 × 7.5 メートルにも達する「大作シリーズ」を中心に、立体作品や新聞連載小説の挿絵など、これまでの広範な活動の軌跡を一挙に紹介。めくるめく物語が繰り広げられる遠藤彰子の作品を体感することができる。