EXHIBITIONS
磯江毅 Tsuyoshi Isoe
ギャラリー石榴 松本で「磯江毅 Tsuyoshi Isoe」が開催されている。
本展は、30余年の画業の前半戦、 磯江が20代から30代までの頃の作品による展覧会となっている。出展作は、グスタボ・イソエをアーティスト・ネームとし、本格的にマドリードで発表を始めた20代中頃の自画像ドローイング。モデルを前に繰り返した人体素描。そして、「台所の物」を意味し、17世紀以降スペインで描かれてきた静物画(Bodegón、ボデゴン)を踏襲した油彩3点ほか。スペインから帰還した作品を中心に、日本では未発表の作品を含む計7点を展覧している。
磯江は高校卒業後に、西洋絵画史の重要な舞台であるマドリードへ渡り、スペイン・アカデミズムデッサンを学びながら、プラド美術館でデューラーやフランドル派絵画の模写に没頭し、人体デッサンに明け暮れる青年時代を過ごした。そして画家としてのデビュー後も研鑽と進化を続け、独自の造形言語を確立していく。
磯江が53歳で他界してから17年。「表現するのは、自分ではなく、対象物自体である」。50歳で開催した個展のカタログで、このように述べ、自らの写実表現を「角膜に受動的に映る映像を根気よく映す行為ではなく、空間と物の存在のなかから摂理を見出す仕事」と定義づけている。本展では、一貫して「見るということ」の深淵に立ち続けた画家が、晩年に至った境地に達するまでの道程を追想する機会となっている。
本展は、30余年の画業の前半戦、 磯江が20代から30代までの頃の作品による展覧会となっている。出展作は、グスタボ・イソエをアーティスト・ネームとし、本格的にマドリードで発表を始めた20代中頃の自画像ドローイング。モデルを前に繰り返した人体素描。そして、「台所の物」を意味し、17世紀以降スペインで描かれてきた静物画(Bodegón、ボデゴン)を踏襲した油彩3点ほか。スペインから帰還した作品を中心に、日本では未発表の作品を含む計7点を展覧している。
磯江は高校卒業後に、西洋絵画史の重要な舞台であるマドリードへ渡り、スペイン・アカデミズムデッサンを学びながら、プラド美術館でデューラーやフランドル派絵画の模写に没頭し、人体デッサンに明け暮れる青年時代を過ごした。そして画家としてのデビュー後も研鑽と進化を続け、独自の造形言語を確立していく。
磯江が53歳で他界してから17年。「表現するのは、自分ではなく、対象物自体である」。50歳で開催した個展のカタログで、このように述べ、自らの写実表現を「角膜に受動的に映る映像を根気よく映す行為ではなく、空間と物の存在のなかから摂理を見出す仕事」と定義づけている。本展では、一貫して「見るということ」の深淵に立ち続けた画家が、晩年に至った境地に達するまでの道程を追想する機会となっている。