EXHIBITIONS

寺山修司没後40年記念

ジャパン・アヴァンギャルドポスター見本市 ~昭和の激動が生んだ熱狂アングラカルチャー~

2024.01.13 - 01.28
 Bunkamura Gallery 8/で「寺山修司没後40年記念 ジャパン・アヴァンギャルドポスター見本市 ~昭和の激動が生んだ熱狂アングラカルチャー~」が開催されている。

 日本が目覚ましい発展を遂げた高度経済成長期によって、経済、文化をはじめ、人々の価値観までもが大きく変化したいっぽうで、空洞化した社会に対する反抗が生まれた。芸術や文化でもまた、既成のものを破壊し新たなものを創造することに若者たちは熱狂した。

 そのなかでも2023年に没後40年を迎えた寺山修司の「演劇実験室◎天井棧敷」、唐十郎の「劇団状況劇場」などのアングラ演劇、暗黒舞踏の土方巽などのアングラカルチャーが時代を席巻した。過激で実験的な演出により虚構性の高い芝居を次々と上演した「アングラ演劇」において、なかでも重要な位置を占めたのは、そのポスターたちと言える。
 
 いまや日本を代表するアーティストである宇野亞喜良、金子國義、横尾忠則らが手がけ、サイケデリックで猥雑なデザインの巨大ポスターはたんなる広告媒体としてではなく演劇の演出としての一種の役割を担った。街に飾られることでポスターさえも演劇の一部となしえてしまったと言える。

 本展では、アングラ演劇の公演ポスターを中心に、同時代のポスターや公演のチラシ、古書などを展示。保守的な世のなかからの解放を求め、新たな表現の再構築を試みるアングラカルチャーは、いまなお斬新に写り、この令和時代をも熱狂させる。