EXHIBITIONS

パリ ポンピドゥーセンター

キュビスム展―美の革命

ピカソ、ブラックからドローネー、シャガールへ

2023.10.03 - 2024.01.28

ロベール・ドローネー パリ市 1910〜1912年 Centre Pompidou, Paris, Musée national d’art moderne - Centre de création industrielle (Achat de l’ État, 1936. Attribution, 1937) © Centre Pompidou, MNAM-CCI/Georges Meguerditchian/Dist. RMN-GP

 国立西洋美術館で「パリ ポンピドゥーセンター キュビスム展―美の革命 ピカソ、ブラックからドローネー、シャガールへ」が開催されている。

 20世紀初頭、パブロ・ピカソとジョルジュ・ブラックによって生み出されたキュビスム は、西洋美術の歴史にかつてないほど大きな変革をもたらした。西洋絵画の伝統的な技法であった遠近法 や陰影法による三次元的な空間表現から脱却し、幾何学的に平面化されたかたちによって画面を構成する試みは、絵画を現実の再現とみなすルネサンス以来の常識から画家たちを解放した。

 また絵画や彫刻の表現を根本から変えることによって、抽象芸術やダダ、シュルレアリスムへといたる道も開くこととなった。慣習的な美に果敢に挑み、視覚表現に新たな可能性を開いたキュビスムは、パリに集う若い芸術家たちに大きな衝撃を与え、装飾・デザインや建築、舞台美術を含む様々な分野で瞬く間に世界中に広まり、それ以後の芸術の多様な展開に決定的な影響を及ぼしている。

 本展では、ポンピドゥーセンターの所蔵品から、キュビ スムの歴史を語る上で欠くことのできない貴重な作品が多数来日する。そのうち50点以上が日本初出品だ。20世紀美術の真の出発点となり、新たな地平を開いたキュビスムの豊かな展開とダイナミズムを、主要作家約40人による絵画を中心に、彫刻、素描、版画、映像、資料など約140点を通して紹介する。日本でキュビスムを正面から取り上げる本格的な展覧会はおよそ50年ぶりとなる。

 その後、京都市京セラ美術館に巡回予定。