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EXHIBITIONS

インターメディアテク博物誌シリーズ 〈 11 〉 特別展示『魚学コトハジメ』

 JPタワー学術文化総合ミュージアム「インターメディアテク」で、開館十周年記念事業の一環とした特別展示「魚学コトハジメ」が開催されている。

 本展では、東京大学総合研究博物館が所蔵する描画資料から、岸上鎌吉による日本産サバ科魚類の分類学研究および比較解剖学研究に用いられた図を中心に、掛図16点、論文原図12点、および巻物1点を展示する。展示の中心となる掛図は岸上の報告したサバ科魚類の全身図が描画されたものであり、全身の輪郭から体を覆う鱗や鰭条(各鰭の膜を支持する骨格)が極めて精緻かつ正確に描画され、リアルな存在感とともにその種たる特徴を詳らかにしており、その彩色は生鮮時の瑞々しい色彩を容易に想起するものとなっている。

 また、これらのうち今回の展示の予備調査にあたって初めて存在が明らかになった、岸上が新種記載したスマ属の一種である「ユーティヌス・リネアトゥス」はこれまで学名の基準となる標本が行方不明とされているものであり、この図が標本の代わりに担名タイプとなる、学術的にも高い価値をもつ描画資料となっている。

 明治から大正時代という日本における科学の黎明期に作成され、魚類の多様性および体の構造を理解するために精緻に描画された資料の数々は、科学的な価値もつにとどまらず、写実的な絵画として魚類の肉体美への関心をひきつけるだろう。本展示は、「インターメディアテク博物誌シリーズ」の第11回となる。