EXHIBITIONS

西澤徹夫「偶然は用意のあるところに」

2023.09.14 - 11.26
 TOTOギャラリー・間で西澤徹夫の個展「偶然は用意のあるところに」が開催されている。

 西澤は、京都市京セラ美術館や八戸市美術館をはじめとする文化施設や美術展の会場構成などを数多く手がける建築家。西澤は「建築の全体性とは、どこまでのことを指すのか?」「建築が扱う対象はどんどんふくらんでいくこと、具象として現れたものの裏側にこそ、私たちが建築と呼ぶものの核心のようなものが内在していること。そのような不可視のものを計画することの過程にこそ建築の魅力があるのではないか」と述べている。

 タイトルの「偶然は用意のあるところに」は、いまだ見えていない核心に触れるためにできうる限りすべての準備を整えておくという、西澤の建築との真摯な向き合い方を表した言葉だと言える。西澤の緻密な設計と現場での限りない「チューニング」の積み重ねによって生まれる建築が、訪れる人に悦びや新しい発見をもたらす。本展では、西澤の建築に対する姿勢とその仕事ぶりを紹介する。