EXHIBITIONS

越後妻有 MonET 連続企画展 Vol.2 松元悠 「版画報、道が動く」

越後妻有里山現代美術館 MonET
2023.09.09 - 11.05

松元悠 サラバ化物(大宮区、江戸川区、アフリカ) 2023
リトグラフ、BFK紙 600 × 900 ㎜

 越後妻有里山現代美術館 MonETで、連続企画展 Vol.2 松元悠 「版画報、道が動く」が開催されている。

 新潟・十日町市にある同館が、今期より新たな取り組みとして、連続企画展を開催。2023年度は4名のゲストキュレーター迎えて、4つの展覧会を実施する。そのVol.2して、滋賀県立美術館ディレクター(館長)の保坂健二朗をキュレーターに迎える。

 版画という歴史の長いメディアに新しい風を吹き込んで注目されているアーティスト、松元悠を招致。松元が関心を寄せるのは、版画が明治初期のほんの一瞬だけ担っていた報道という機能。

 今日の報道で主流の写真や映像は本当に 「事実」を伝えているのか。それらはむしろ人間の感情を揺さぶることに注力してしまっているのではと考え、気になった事件の現場に自ら赴いて取材し、資料を読み込んだうえで、事件を伝える一枚のイメージ=版画をつくるという方法論を生みだした。その際、事件の当事者の姿が松元の自画像に置き換えられるのだが、それはまるで、ニュースの受け手もまた 「事件」の構成者のひとりであることが仄めかされているようだ。

 本展では、新作1点を含む8点の版画作品と、その背景を伝えるための、手描きの壁新聞5点が展示されている。