ストーム・サープ「Summer Hours」

　KOKI ARTSでストーム・サープの個展「Summer Hours」が開催されている。

　サープ（1970年〜）は、92年にコーネル大学を卒業。現在オレゴン州ポートランドで制作を行なっている。フォードファミリー財団のHallie Ford Fellowshipなどを受賞しており、ホイットニー・ビエンナーレ（2010）にも参加。サープは日常生活のシーンを切り取って並べ、人間の繊細さと各瞬間の儚さを垣間見れる作品を制作する。日本初個展となる本展では、Mullowney Printing Companyの協力により制作された新作モノタイプを7点展示する。

　本展についてサープは以下のステートメントを発表している。

「私の作品では、丹念に描写する努力と、より軽快で即興的な追求のあいだで振り子が揺れている。普段、私はこの相反するどちらかの性質でうろつき、スタジオでの制作に長い時間を捧げている。しかし、Mullowney Printing Companyのスタッフとともに制作している版画では、この実践方法の両方が作用している。これらの方法が互いに影響し合い整い合うとき、まったく新しい言語が展開し、美学、物語、抽象のより広い解釈へと進化する。このようにして、ルールは緩められ、土俵は広がり、すべてが実行可能でありながら、同時に漂流する。分類などのレッテルは挑戦され、イメージのコレクションは、絶え間ない私たちの生活のペースとは相反する連続性を示唆している」（部分抜粋）。