本間純「Now and Things」

　eitoeikoで、本間純の個展「Now and Things」が開催される。

　本間は1967年東京生まれ、90年に多摩美術大学立体デザイン科を卒業。その後フィリピン、インド、韓国のアーティストインレジデンスに滞在し、2019年には文化庁新進芸術家海外研修制度特別研修員としてベルリンに派遣された。主な展覧会は、「極寒芸術祭」（北海道弟子屈町、2016～22）、「チェンナイフォトビエンナーレ」（チェンナイ・インド、2019）、「空気の正体」（川口市立アートギャラリー・アトリア、2017）、「大地の芸術祭越後妻有アートトリエンナーレ」（2012）など。

　本間はこれまで風景に擬態し人間の錯視をユーモラスにとらえたインスタレーションや写真、パフォーマンスを手がけてきた。風景の一部を遮り、見せないことによって見えない部分を意識させ、隠れた歴史や過去の生活、社会制度を再認識させる作品を制作している。人間に備わる、判断できない部分を補足し、想像し、理解する力は過去を再生し未来を変える、時間を制御する手段であると本間は考えている。

　本展では、時間の波間にたゆたう消滅と生成のあいだで、絶対的な「いま」の在り処を示す、彫刻であり、写真であり、インスタレーションでもあるマルチメディアの新作を発表する。