EXHIBITIONS

Ginza Curator’s Room #004

「反復の圏域 -Repetitive Sphere-」

思文閣銀座
2023.06.24 - 07.08

森田子龍 圓 1969頃

大山エンリコイサム FFIGURATI #495 2023 ©︎Enrico Isamu Oyama Studio, Photo ©︎Shu Nakagawa

 思文閣銀座で、『Ginza Curator’s Room』の第4回目となる展覧会「反復の圏域 -Repetitive Sphere-」が開催される。

 思文閣銀座では2022年8月から、ゲストキュレーターを招致した展覧会シリーズ『Ginza Curator’s Room』を開催。本企画では、毎回ゲストキュレーターを迎え、彼らの目を通して新たな魅力と価値が吹き込まれた"部屋"を展観する。第4回目となる本展では、東京都写真美術館、金沢21世紀美術館、水戸芸術館での学芸員勤務を経て、インディペンデント・キュレーターとして活動する山峰潤也がキュレーションを行う。参加アーティストは森田子龍と大山エンリコイサム。

 森田は1912年兵庫県生まれ。37年に上田桑鳩に師事し、書を学ぶ。同年、翌38年に大日本書道院展で推薦金賞(最高賞)を受賞。48年に『書の美』を、51年には『墨美』を創刊する。前衛書を牽引した墨人会を1952年に結成し、書の再解釈と独自の表現を志向した。
 
 大山は1983年東京都生まれ。ストリートアートの一領域であるエアロゾル・ライティングを分析し、その再構成から生まれたモティーフ「クイックターン・ストラクチャー」を起点に活動を行っている。ストリートアートに高度な表現性を見出し、このジャンルの軌跡をひもとくとともに貴重なアーカイヴを積み重ねてきた。

 森田と大山は半世紀ほどの時間の隔たりがありながらも、書くことと描くこと、身体性とドローイングの関係など、多数の共通点をもっている。本展では、森田の「圓」を書いた5点と、その反復と差異に呼応するかのようにクイックターン・ストラクチャーを変奏した大山の新作5点を展示する。