EXHIBITIONS

特別展「木島櫻谷 ―山水夢中」

木島櫻谷 万壑烟霧(左隻) 1910 株式会社 千總

木島櫻谷 写生帖《芙蓉集一》富士 1908 櫻谷文庫

 泉屋博古館東京にて、特別展「木島櫻谷 ―山水夢中」が開催されている。

 木島櫻谷(1877〜1938)は、近代の京都画壇を代表する存在として近年再評価が進む日本画家。動物画で知られるが、本展では櫻谷が生涯描きつづけた山水画に注目。西洋画のような空間感覚を特徴とする山水表現は、幼少期より好んだ漢詩や中国の古画の要素を取り入れて、親しみやすい新感覚の表現へ至っている。

 会場では、東京で初公開となる山水障壁画に加え、数十冊にのぼる珠玉の写生帖や《寒月》(展示期間〜6月18日)《駅路之春》などの代表作も展示。多彩な山水画を一望しながら、櫻谷が心に抱き続けた世界観に触れる展示となるだろう。